非国民生活センター

生活にまつわる怪しい情報と、身を守る知恵をご紹介します。

サイトマップ


TOP>考え方として>ヘンな言葉「安全・安心」

「安全」と「安心」が混同されている

食品偽装や基準違反問題で、マスメディアに頻繁に登場するのが、食の「安全・安心」なる奇妙な言葉です。なぜ奇妙かというと、「安全」は科学の問題だが、「安心」は気持ちの問題であり、科学的な安全性は客観的に評価出来るけれども、気持ちの問題には、明確な答えはないからです。行政のスローガンもマスメディアも両方をごっちゃにしてしまっているのです。

嘘はつかれたくないという心理

確かに、「嘘はつかれたくない」という消費者心理はあるでしょう。だから、不二家やミートホープや船場吉兆の問題が大きく取り上げられて、廃業したり倒産寸前に追いやられたりしたのでしょう。ところが、「安全」に関してはより深刻な問題であるはずのO157や腸炎ビブリオがほとんどニュースにならないという奇妙なことになっているのです。

コチニール色素

『食品の裏側』など、食品に関する不安煽動もので、よく槍玉にあげられるのが、コチニール色素という天然色素です。カイガラムシ科の「エンジムシ」から抽出される赤い色素です。「臙脂色」の語源にもなっています。これなど、科学的な「安全性評価」という観点においては優れた色素といえますが、心の問題としての「安心」という視点で見れば、「虫? 気持ち悪い!」という偏見を持たれがちなのです。

KOMOのこんぶページ:コチニール色素

この辺をごっちゃにしている例として、ネットで見つけたのが、某高校の「食品添加物 学習指導案」です。フードファディズムの高橋久仁子氏が学生と接してきて、学校教育の段階で添加物怖い怖い論が刷り込まれてしまっていると嘆いていますが、高校で家庭科を履修する前の世代である私でさえも突っ込みたくなるくらい酷いようです。

根が真面目な人ほど、思い込みに駆られてヘンな方向に行ってしまう

件の家庭科の先生も、根は真面目なのでしょう。そういう人が、「添加物は怖いもの」「なくすべきもの」という思い込みのほうが、安全性評価という科学的な観点よりも先にあって、思い込みで学習指導案のプロットを作ってしまい、引用元を『買ってはいけない』のような極端なものに偏らせてしまう。ごくごくおまけに、日本食品添加物協会の見解を付け加えたりするといった具合ですね。

ページトップへ
Copyright(C) 2010 Consumer Affairs Center of Perversity All Rights Reserved
inserted by FC2 system